第7号の抄録

以下は、雑草研究 53 (3) 150-151(2013) に掲載されたものです。

中国・四国雑草研究会

 

中国・四国雑草研究会平成25年度例会,平成25年度公益財団法人日本植物調節剤研究協会近畿中国四国支部研修会,平成25年度近畿中国四国農業試験研究推進会議作物生産推進部会問題別研究会は,2013719()に奈良ロイヤルホテル(奈良市)にて合同開催された。本会では,「難防除水田雑草の生態と防除」を主題とし,以下の講演がおこなわれた。

 

水田におけるクサネム種子の動態

福見尚哉(鳥取県西部総合事務所農林局西部農業改良普及所大山普及支所)

クサネムは近年発生が多いとされる難防除雑草である。クサネムの合理的な防除法を確立するためには、埋土種子の動態を中心とした個体群動態を明らかにすることが重要である。成熟したクサネム種子は硬実性に由来する休眠状態にある。クサネム種子の休眠覚醒は低温湿潤条件では進まず、乾燥や変温条件で促進される。秋に水田に散布された種子の休眠覚醒は、土中ではほとんど進まないが、地表面では春までにかなり進む。ただし地表面が稲わらで被覆された条件では、休眠覚醒の進行は抑制される。春までに休眠覚醒した種子の一部は、発芽できず死亡しているらしい。休眠覚醒生存種子は代かき後、水面に浮かべばすみやかに発芽するが、土中に埋め込まれると湛水状態では出芽できず、大部分は死亡する。稲刈り後不耕起・稲わら持ち出し条件で休眠覚醒を促進したうえで、出芽個体の種子生産を抑制すれば、クサネムの埋土種子数は急速に減少するものと考えられる。

 

いくつかの水田雑草の分布を巡って

須藤健一(日本植物調節剤研究協会兵庫試験地)

兵庫県では1975年、80年、96年、2006年の4回にわたって、県内の水田雑草発生状況を調査してきた。その調査結果を基に、いくつかの「難防除水田雑草」を取り上げ、それらの雑草の発生分布について検討した。ノビエは30年前と分布域や発生程度はほとんど変わらず、マツバイ、ウリカワなどは30年の間にその発生程度は激減した。逆にイヌホタルイ、オモダカ、クログワイ、セリ、キシュウスズメノヒエなどは増加していた。イヌホタルイは、30年前には多発生地域は比較的限られていたが各地で多発するようになり、オモダカやクログワイはかつては山間部などでみられていたのが全県の平坦部でもみられるようになった。キシュウスズメノヒエのように県南部に限定的であったものが北部まで広がったものもあった。これらの発生程度や分布域の変化に影響を与えた要因として使用除草剤の変遷、使用方法の変化、稲作経営形態の変化などについて整理した。

 

コウキヤガラ及びクログワイの生態的特性と防除法

小山 豊(日本植物調節剤研究協会)

コウキヤガラは塊茎による繁殖が主体である。塊茎の萌芽最低温度が低く、水田での発生が2月から3月と早い。そのため、耕耘及び代かきによる既発生株の埋没が効果的で、除草剤の効果向上のためにも重要である。繁殖様式は複雑で、塊茎形成の他に分株基部にも塊茎が形成され、繁殖力が大きい。塊茎形成始期は他の多年生雑草に比べて早く、7月上旬頃から始まり、9月中旬頃枯死するため、稲刈り後の秋季防除はできない。クログワイの繁殖の主体は塊茎である。塊茎には休眠性があり、塊茎形成位置や出芽深度が深いため、発生期間が非常に長く除草剤が効きにくい。塊茎形成は9月上旬に始まり、稲刈り後の耕耘や除草剤による秋季防除による塊茎形成の阻害効果が大きい。いずれも、除草剤による防除が主体であり、2011年から植調協会では、コウキヤガラ、クログワイ、オモダカを対象に、一発剤による防除方法について検討を始めている。

 

講演会には96名の参加があった。なお,講演内容は2013年度中に刊行予定の中国・四国雑草研究会会報第7号に集録される予定である。             

平成29年度例会

(平成29年7月14日)

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(平成27年7月17日)

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